講義とワークショップを行い、感じたこと。
2023年07月04日
先日、「名古屋文化学園保育専門学校」自然科学概論の講師を務めていらっしゃる
浅井智子先生からのご依頼で、登壇の機会をいただきました。
休み時間、教室の後ろに昔の玉石タイルを並べ終えると、生徒さん方が続々と集まってきて
「かわいい~」
「見たことない感じ~」
「タイル好きなんですよ~」
「モザイクタイルミュージアム行きましたよ」など声が上がり、
岐阜県多治見市笠原にモザイクタイルミュージアムというタイルのアイコンができ7年、
2022年4月にはタイル名称統一100年ということで業界をあげて盛り上がりを作ってきた
種が確実に花開いてきていることを実感しました。
授業では自然科学概論という視点と、保育という視点を踏まえ
タイルの成り立ちから、地場産業を取り入れた保育や教育活動の紹介、
ワークショップを実施。
笠原の原料を扱っている丸美陶料様に協力していただき、タイルの原料としても使われている
水肥粘土と木節粘土を生徒さんに実際に見て触れて頂きました。
何十種類もの原料があり、焼き物に合わせて原料をブレンドする
水肥粘土(水分が多く、ねっとりとした粘土)
木節粘土(何千年前の木が炭化したもの)
その昔、東海湖という南北96キロほどの湖があったことなど、地形や環境などの
偶然が重なり「奇跡の土」が生まれたという話から原料を触っていただいたので、
とても大事そうに扱ってくださり
当たり前にあるものが、実は当たり前ではないんだということも感じていただけたかと思います。
また、その上でタイルのワークショップを行いました。
浅井先生からのご提案で、テーマは「命」
作品は十人十色、様々な感性でつくりあげて下さいました。
人気はピンクや黄色、貫入の入った青系は全部なくなるほど
みなさん真剣に向き合っています
その中でも心に残っている作品がります。
↓
タイトルは・・・
「子どもの可能性!!」
様々な色や形が折り重なり、それぞれの場所で役割を果たす
私が感動したのは、1枚だけ裏にして置かれたタイルを見たときでした。
それは、タイルとしてはペケ(失敗・破棄されるもの)
なぜか
よく見ると裏に余分な生地が付きボコッとしているので、段差ができてしまい
はじかれてしまうのです。
でもこの作品の中では、その凹凸を表に向けて子どもの可能性の1つとして
表現されていました。
この方と出会う園児さんはきっと幸せだろうなと胸がいっぱいになりました。
このタイルは30年から40年程前に焼かれましたが、時代に取り残され、工場の中でひっそりと
深い眠りについていたものです。
破棄されるところを、なんとか引き取り保管していました。
この貴重な土で焼かれた素晴らしいタイルが、時を越えて必ず誰かに届くと願っていたので、
私の夢も叶ったというのもあり、ますます胸がいっぱいになるひと時でした。
お声がけくださった浅井智子先生(https://haha-hinatabokko.com/)
名古屋文化学園保育専門学校の関係者様、生徒様(https://www.nbunka.ac.jp/nb1/)
原料を提供して下さった丸美陶料様 (https://mtk-marumi.co.jp/)
講義にあたり資料提供して下さったセラミックバレー様、岐阜県商品開発研究所様
(セラミックバレー 美濃 Ceramic Valley Mino Japan)
そして、タイルを製造して下さったメーカー様
ありがとうございました。